沖縄県の離島、宮古島で生まれ育ち、島外への移動に欠かせない飛行機は物心ついたころから身近な存在でした。

離島で生活をしていると、子供たちの部活動の大会や修学旅行、お仕事での出張や生活物資の輸送などに飛行機の存在は欠かせません。また、年末年始や旧盆の帰省に限らず親族で集まる機会の多い沖縄では、空港の到着ロビーにはいつも再会を喜びあう人々の姿があります。

小学生のとき、当時所属していた少年野球チームの遠征の帰り、台風が接近している中でのフライトを経験しました。窓から外を見ると、真っ暗闇の中に翼の先端に光るライトとそれをさえぎるほどの激しい雨が機体に打ち付けているのがわかりました。飛行機が降下を開始すると一段と揺れが強くなり、地上にうっすらと島の灯りが見えてきたと思ったとたん、お尻が浮くほどの大きな揺れが！

「お願い神様、無事に宮古島に帰して！」と心の中で必死に願っていたことを覚えています（笑）。

滑走路が真下に近づいてきて、ふわっと機体が持ち上がったと思った次の瞬間、機体は軽いショックを受けただけでスムーズに着陸していました。

こんな嵐の中、大きな飛行機を操縦して無事にみんなを目的地に送り届けるパイロットっていったいどんな人なんだろう。そう思ってからは、空港に離着陸をする飛行機を見に行っては、コックピットのガラス越しに映るパイロットに思いを馳せていました。

航空大学校の卒業が近づき就職活動を進めていく中で、自分がパイロットとして空を飛ぶことで何がしたいのかを考えた時に、自然と宮古島や沖縄の離島で暮らす人々のことが思い浮かびました。エアラインパイロットになる夢と地元への地域貢献が両立できる「JTAのパイロット」になりたいと思いJTAを志望しました。