上原酒造所 ~糸満市~
糸満市にある上原酒造所は少し不思議な酒造所です。沖縄の46の酒造所の中でもおそらくここだけがマイナスイオン水(電子イオン水)を使って泡盛を製造してるのではないでしょうか?興味深々で出掛けました。3代目の社長上原長榮さんにお話を伺いました。
創業は1947年。今年72周年を迎えました。創業者は上原長幸さん。長榮さんの祖父にあたります。2代目が父、政雄さんで長榮さんは3代目になります。家族だけの小さな酒造所で長榮さんが父の後をついで社長になったのは55歳の時。産まれた時から酒屋だったので跡継ぎになるのはごく自然な事だったそうです。長榮さんはサラリーマンをしたことがないそうで就職先が上原酒造所!22歳から父のもとで酒造りの修行を積み技術を身につけていきました。
電子イオン水との出会い
電子イオン水と出会ったのは22年前のこと。市内で豆腐の製造をしている友人から豆腐を作る時に「マイナスイオンの水」を使うと美味しい豆腐が作れる!という話を聞きすごく興味を持ったと言います。豆腐でいいなら泡盛でもいいのではないか・・・それから水の勉強を始めます。講演会や勉強会、時には東京までも出掛けたといいます。勉強していくうちにマイナスイオンは体にも心にもいいのだから酒造りにも絶対いいはずだ!と確信を得た長榮さんはまず父親を説得し(かなり苦労したらしい)機械を導入し設備を整備していきます。洗米から仕込み水、割り水まで酒造りに使うすべての水を電子イオン水にしたのです。更に工場の天井からは目に見えないほどの細かいイオン水のシャワーが降り注いでいるというのです。ほんとに見えないのですが、何となく快適!泡盛の工場とは思えない空気感がありました。それだけではありません!敷地内の12か所に穴を掘り200kgの備長炭を敷き詰めてあるというのです。これにより全体の波動が高くなり酒造りにより良い環境がうまれるということなのです。
徹底ぶりが半端ないことに感動します!上原家はお風呂もマイナスイオン水なので健康そのものだとか!!
誰も信じなくてもいい! そんな水で酒は変わらないよー。まわりからそんな風に心無い言葉を投げられても長榮さんの信念は変わりませんでした。なぜなら自分で「酒の味は美味しくなっている」と実感し確信を持っていました。「上原の酒は美味しくなってるらしいよ」と口コミで広がっていきます。
そしてとうとう2017年には泡盛鑑評会で県知事賞を受賞します!家族だけの小さな酒造所が受賞するのは凄いことなのです。「受賞出来たのは信念を曲げず水の力を信じてきたおかげです」と笑います。会社の入り口の玄関の上には「電子を泡盛の原材料及び製造工程に活用。そのすべてを還元、活性化し健康にやさしく美味しい酒が誕生しました」と書いてあります。
家族経営の酒造所は現在長榮さんの息子で次男の弘嗣さんが営業のほとんどを担当しています。東京でのサラリーマンを経て8年前、24歳の時に酒造所で働く決心をします。結婚し子どもができたことがきっかけだったといいます。兄は公務員になっており父も年をとっていく中で「酒造所はどうなっていくんだろうか」と考えた結果だと言います。父は特に後を継いでくれるようには言わなかったそうです。父から酒造りの技術を学びながら営業、配達もこなしています。小さい頃は工場で瓶洗いなどの手伝いもしたそうですが「将来酒屋の後を継ぐことは一度も考えたことはなかった」そうですが、子どもは年をとっていく親を見ると子どもなりに考えていくものなんだなあ・・と思いました。そんな息子について長榮さんに聞いてみると「俺に似ずいい息子」だと照れ笑いしていました。水にこだわってきた父について聞いてみると「この1年くらい、色々な事を勉強していく中で美味しい酒を造るために一生懸命努力してきたのだと思うとすごいなあと思う。酒造り頑張ります」とのこと。あと数年後、近い将来上原酒造所の4代目になる日がくるわけですからこれから楽しみです。電子イオン水の泡盛ぜひ!
長榮さん、弘嗣さん、お忙しい中たくさんの楽しいお話ありがとございました。
*上原酒造所の泡盛は神泉・いとまん・群青です。県知事賞受賞は「神泉」。