若手工芸家の登竜門 第29回「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」入賞作品紹介
今年で29回目を迎えた「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」は、琉球銀行(本店:那覇市)が1992年(平成4年)、沖縄の本土復帰20周年を機に始めた公募展です。
《コンテストの目的》
・沖縄県の伝統工芸の一つである紅型の振興と若手工芸家の育成
・紅型デザインの新しい領域の追求
・二次的著作物として、県内企業の紅型を取り入れた商品化を推進
これまでコンテストに寄せられた作品は1,600点を超え、受賞作品も175点を数えます。
今では若手紅型工芸家たちが入賞を目指し切磋琢磨する場として定着しており、紅型の普及・伝承に貢献するコンテストとなっています。
ここに今年の入賞作品をご紹介します。
彩り豊かで個性あふれる、美しい紅型作品と工芸家の想いをご堪能ください。
【一般枠】
大賞
「悠久の海」 山城 美枝
美しい悠久の海で新しい命がつながれていきますように。
これからも美しい青が色あせることのない島であり続きますようにという願いで表現しました
技術賞
「開ける心」 津山 奏
青く広い海を泳ぐ魚、草花や文化にはどれも太陽に映える色鮮やかさで、沖縄で生活できたことで心から明るく華やかにしてもらえたと感じています。この心の中にある色と華やかな世界を濃縮して身体に吸収し放出していく感覚を表現したいという願いを今回叶えさせていただきました
デザイン賞
「ヒヤミカチ」 吉濱 愛
数々の困難や危機に見舞われながらも、前向きに何度も立て直し進化し、先人の芸と心を300年間受け継いできた組踊のように予測困難な現代社会の変化におかれても、希望を持ち、ヒヤミカチ、奮い立たせ、歴史の中で培ってきた独自の文化を次の世代へ守り伝えていきたいと願いを込めて制作しました
奨励賞
「楽園~沖縄の宝~」 島尻 稚菜
熱帯魚、サンゴ、花、オオゴマダラとサナギ、きれいな海、さわやかな空。
これからの未来に残していきたい、大切にしたい自然や風景を沖縄らしい鮮やかな色合いで表現した。
奨励賞
「記憶の海がゆれる」 竹内 まみ
自身が過ごしてきた沖縄での思い出がふとした瞬間に思い出される様子と、沖縄の海のような色をしたヒスイカズラが揺れる様を組み合わせてデザインし、制作しました。
【未来枠】
― 学生かつ20歳以下 ―
優秀賞
「Blue twins」 具志堅 音子
沖縄ならではの地上の自然豊かな緑と、すみわたる青空の世界と、海中の色とりどりの綺麗な生物と、空のような青い海の世界。沖縄にある2つの青の世界をモチーフにした
優良賞
「台風前夜」 下地理央
私の大好きな沖縄の県花デイゴをメインにしました。
小さなデイゴを重ねて、大きなデイゴが堂々と下にたれさがっているのを表現しました
審査員特別賞
「ブーゲンビリアの空」 亀谷 二虹
いとこが生まれたので、そのことからコウノトリが赤ちゃんを運んでいるイメージでデザインしました。大きくて優しいイメージのクジラで優しく包み込んでくれるお母さんを表現しました。私の喜びが伝わればいいなと思います。
【さいごに】
琉球銀行と日本トランスオーシャン航空は、今後も琉球王朝時代から続く伝統工芸 「紅型」の魅力を未来へつなげていく活動に取り組み、若い工芸家の育成・紅型の振興に貢献していきます
沖縄の伝統工芸発展につなげる