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次世代を担う子どもたちのために、JTAができること。

JALグループでは、空の素晴らしさに触れることで、子どもたちに新たな発見やさらなる学びを得て、自分・日本・世界・地球の未来を考える機会を提供する「空育®」の取り組みの一環として沖縄地区では「JTA航空教室」や「JAL折り紙ヒコーキ教室」などを実施しています。また、JTARACが主催する「あおぞら図画コンクール」は、2021年で39回目を数えるまでになりました。 

 

JTAが子どもたちのための取り組みを実施する意義や背景はどこにあるのか。これらの取り組みを実際に行っている担当者の方に聞いてみました。 

 

「空のお仕事」を身近にするJTA航空教室

——JTA航空教室は、どのような方をターゲットにしているのですか。また、どのようなことを目的とされているんですか。

 

パイロットをはじめとした航空機にかかわる職種は、今も昔も「子どもたちのなりたい職業」の上位に挙げられる人気の職業です。その一方で、お客さまとして航空機に搭乗することはあっても、具体的に航空機の運航の仕事に触れる機会は、必ずしも多くありません。JTA航空教室は、パイロットやCA、整備士といった業務に携わった経験者が自らの言葉で語りかけ、実物の飛行機を間近で見ることができます。小学生以上の皆さんに、普段なかなか見ることができない「空のお仕事」に触れることで、航空機や航空産業への興味を持ってもらいたい、というねらいで開催しています。 

 

コースは、小学1年生から参加できる「整備場コース」と小学4年生以上が対象の「航空教室コース」の2つ。どちらも、普段決して入ることができない、JTAの整備施設で開催します。 

 

——2つのコースがあるんですね。整備場コースではどんなことをするのでしょう。

 

整備場コースでは、まず整備施設入口のモデルプレーンがお出迎えします。2メートル近い大きさのモデルプレーンは、子どもたちの飛行機への興味をかき立てます。スタッフは整備のスペシャリストたちですが、子どもたちの相手も大の得意。ちょっとした冗談で、緊張をほぐしていきます。そしていよいよ実際に航空機のメンテナンスを行う巨大な作業ハンガーへ移動します。間近で見る航空機は想像よりもずっと大きく迫力があり、目にした子供たちの目が一斉に輝きます。実際の航空機を前に、スタッフが航空機について解説します。飛行機の胴体の厚さが、場所によっては1mmと聞いて「たった1ミリ~!?」と大騒ぎ。子どもたちは興味津々で、格納庫の説明や整備中の飛行機の説明を一生懸命メモを取りながら聞いてくれることも多いです。タイミングによっては、実際に整備士が整備をする様子を見学できることもあります。

 

さらには部品庫に移動して、修理のための様々な部品や工具を紹介します。展示してある部品に「これは何?」「何のための部品?」と質問が飛び交いますが、カバーを外された巨大のエンジンの姿には、引率の大人の方が興奮したりと、楽しい時間が過ぎていきます。

 

——間近で見る飛行機は大迫力でしょうね。子どもたちの顔が目に浮かびます。航空教室コースの内容はどうなっていますか。

 

航空教室コースは、整備場見学に航空教室と緊急避難模擬訓練が加わります。運航乗務員(パイロット)経験者が自らの経験と知識をもとに飛行機が飛ぶ仕組みやパイロットのお仕事などについてお話しします。質疑応答ではたくさんの質問が飛び出します。また、緊急避難模擬訓練では、客室乗務員(CA)経験者の指導のもと実際にライフベストを着用して緊急時の対応について学びます。

 

——子どもたちの質問には、どんなものがありますか?

 

本当にいろんな質問がありますね。「アメリカのシアトルで作られた飛行機は、沖縄までどうやって来るんですか? 船で運んでくるんですか?」とか。実際には、途中で給油を繰り返し、1泊2日または2泊3日でやってきます。一般的な世界地図で見ると遠回りに見えるアラスカ経由の方が、距離としてはむしろ短いんだよ、なんて話をします。また、部品の話をするときは、「じつはこれ、○○万円するんです!」なんて話をすると、みな驚いた顔をしたり。

 

ときには、飛行機大好き少年からの超マニアックな質問に、答える側もタジタジになることも。でも、そんなときに知識を振りしぼって、真剣に、精いっぱい答えるのも、航空教室を実施する側としてはうれしい瞬間の一つです。 

 

——どちらのコースも本当に楽しそうです。今後の予定はどうなっていますか。

 

残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響で現在は実施を見合わせていますが、現在、リモート航空教室の申し込みを受け付けています。

 

JTA航空教室へ行こう!

 

空への夢と交流の輪を広げるJAL折り紙ヒコーキ教室 

——続いて、JAL折り紙ヒコーキ教室について教えてください。

 

JALグループは折り紙ヒコーキを通じて空への夢と交流の輪を広げ、人・文化の積極的な交流の促進することを目的に、国内外の様々な場所で「JAL折り紙ヒコーキ教室」の開催に取り組んでいます。JTAでもこれまでに沖縄県内の様々な場所で教室を開催してきました。 

 

教室を開催するときには、折り紙ヒコーキ協会の技術指導を受け、認定の指導資格を持ったJALグループ社員たちがスタッフとして会場を訪問します。参加者の年齢層にあった折り紙ヒコーキの作り方について説明し、実際に作って、飛ばしてみます。 

 

——上手に飛ばすコツはあるんでしょうか。

 

少しの工夫で飛び方が全く変わってくるのが、折り紙ヒコーキの難しいところであり面白いところでもあります。もっと遠くまで、もっと長い時間飛ばすためにはどうしたらよい? と試行錯誤しながら、一番の自信作を自分の手で仕上げていくのを、スタッフは少しずつアドバイスし、お手伝いします。もっといい折り紙ヒコーキを作りたい、という子どもたちに囲まれて、スタッフが質問攻めにあうことも珍しくありません 

 

ときには、付き添ってきた親御さんの方が夢中になったり、親子で競い合ったりすることも。体の大きさや体力に関係なく楽しむことができるのも、折り紙ヒコーキのよいところかもしれません。 

 

——大会もあるそうですね。

 

年に1回、JAL折り紙ヒコーキ大会沖縄予選会を実施しています(2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止)。この大会の優勝者は、東京で開催される全国大会に派遣されるとあって、みな気合いを入れて参加してくれます。一般部門と小学生以下の部門がありますので、興味のある方は次の開催を楽しみにしていてください。 

島の暮らしを生き生きと描くあおぞら図画コンクール 

——あおぞら図画コンクールについても教えてください。歴史あるコンクールだと聞いていますが。

 

あおぞら図画コンクールの第1回開催は1981年のことでした。2021年で39回目となります。対象となるのは、宮古島・石垣島をはじめとした沖縄県の離島と、RACが就航する奄美大島・与論島の小学生テーマは「わたしの大好きな島」です。 

 

毎年、自分たちが住む島の日常の風景や、暮らしの様子、あるいは祭りなど島の行事の様子を描いた作品が数百点寄せられています。沖縄、奄美大島、与論島の島じまの暮らしというと、海を描いたものが多くなるかと思われますが、例年の応募作品には昆虫採集をしたり、動物たちと触れ合ったり、農業のお手伝いをしたり、三線を弾く様子であったりと、バラエティーに富んだ島の様子が送られてきます。見ていると作品を通じて、絵を描いた皆さんの暮らす島の光景がありありと伝わってくるように思えます。 

 

専門家などの厳正な審査を経て選ばれた優秀作品は、例年、JTAホームページや機内誌Coralway、機内ビデオでご紹介するほか、那覇空港はじめ県内の空港ロビーでも展示しています。ご覧になったお客さまからも作品へのご感想をいただくこともしばしばです。 

>あおぞら図画コンクール 過去の受賞作品

 

子どもたちのためにJTAができること、JTAだからこそできること

——ここまで、さまざまな取り組みについてお話をうかがってきました。これらの取り組みを通じて、「子どもたちに伝えたいこと」があれば教えてください。

 

空育®のテーマは『飛行機を通じて「自分」の未来を考える』、『交流を通じて「日本・世界」の未来を考える』、『環境・宇宙を通じて「地球」の未来を考える』ですJTAが航空教室や折り紙ヒコーキ教室といった取り組みを実施することで、飛行機の仕組みや飛行機を飛ばす仕事に一人でも多くの子に興味を持っていただければうれしいです。さらには、「なぜだろう」と思う気持ちや、「どうしたらよく飛ぶ飛行機ができるだろう」と工夫する気持ちが、環境・宇宙・科学全般へ興味をもって探求するきっかけとなってくれればと思っています。 

 

あおぞら図画コンクールは、沖縄、奄美大島、与論島の島じまの子どもたちが絵の題材を探す中で、自分たちが住んでいる島の自然・文化・風土・伝統の良さを再発見してもらうきっかけになればいいなと思っています。子どもたちが地元を愛する心を育んでいってほしいという願いを込めて、コンクールを実施しています。また、この活動は芸術・文化の振興、地域に根差した取り組みが評価され、2016年にメセナ・アワード特別賞「文化庁長官賞」を受賞しました。 

 

3つの取り組みをご説明しましたが、どれも、JTAが航空会社であり、そして沖縄で生まれお客さまに育てられてきた航空会社であるからこそ実施できることですし、JTAが実施していくことに意義があると思っています。これからも、子どもたちが笑顔になり、そして将来につながるような取り組みを少しでも進めていきたいと思っています。 

 

——近年、科学技術が想像を超えたスピードで進展する現代社会において、STEAM教育(*1)の重要性が指摘されています。お話をうかがっていて、航空教室で飛行機の仕組みや整備の実際に触れることや折り紙ヒコーキ教室で遠くまで飛ばす工夫をすること、あおぞら図画コンクールで身の回りの風景を絵画に表現することなど、JTAの取り組みは、まさにSTEAM教育そのものと言えるのではないか、と感じました。これらをきっかけにして、子どもたちが未来に向けて大きく羽ばたいていく日を期待したいと思います。 ありがとうございました。

 

 (*1) Science(科学) 、Technology(技術)、 Engineering(工学)、 Art(芸術)、 Mathematics(数学)の頭文字で、それぞれの分野を横断的に学び、実社会での課題解決力に結び付ける教育のこと。 

 

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