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誰も作ったことがないものに挑戦してみたい~玉那覇紅型工房~

JTAでは、お客さまに「沖縄らしい空の旅」をお楽しみいただけるよう、琉球紅型(びんがた)の作品をクラスJ座席ヘッドレストカバーに採用しています。

2022年5月からは第6弾として、玉那覇紅型工房の玉那覇有勝さんによる「若松に梯梧文様」のデザインが、機内で皆さまをお出迎えしています。

今回、那覇市首里の閑静なたたずまいの中にある玉那覇紅型工房に作者の玉那覇さんを訪ね、今回のデザインや紅型にかける想いについてお話をうかがってきました。

(取材日:2022年6月14日)

 

―5月1日からの新たなヘッドレストカバー「若松に梯梧模様」はおかげさまで好評です。

 

ありがとうございます。じつは、JTAの機内でヘッドレストカバーをご覧になった方から、「この柄の帯がほしい!」とご注文をいただいたりもしています。

 

―それはすばらしい! 私たちのヘッドレストカバーがきっかけで、紅型の着物や帯、玉那覇さんの作品に親しむ人が増えてくださるとよいな、と思っています。
今回のヘッドレストカバーのデザインも、もともとは着物用に制作したとうかがいました。

 

はい。これは公募展に出展して賞をいただいたときのデザインなんです。

紅型を作るときは、着物にしても帯にしても、まずは型を作るところから始まります。

―非常に細かい作りですね。これを、玉那覇さんが自ら切り出されているんですね。

 

はい。外注もできるんですが、私はイメージを膨らませながらすべて自分で作業しています。そのための道具も、伝統的に手作りしています。父(玉那覇有公氏。1996年に人間国宝に認定。)のころからの道具を使ったり、新たに作ったりしています。

―ほかの工房の取材でも、土台のルクジューは島豆腐を乾燥させて作る、といったお話を伺いました。切り出すための道具や、色を付けるための筆なども手作りされているんですね。

 

はい。そうしてできた型を使って、反物に糊を付けていきます。その後、糊をつけていないところに色をのせていき、最後に糊を洗い落とすと、紅型の華やかな模様が現れます。

 

色にぶれが出ないよう、同じ色のところは同じ人が一日で色付けをするようにしています。

色の調合は私がします。顔料を使うことが多いのですが、自然のものなので、同じものを手に入れてもわずかに色合いが違ったりしています。その違いを見分けて、生地の材質やそのときの気候も加味して、美しい色合いを出すようにしています。

―とても繊細で、気が遠くなる作業だと感じます。
型は玉那覇さんが作るということですが、デザインのアイデアはどのようなところで得られるのでしょう?

 

身の回りのものをモチーフにすることが多く、日々の暮らしの中で目についたものが型に現れることが多いです。先日は、折り鶴をモチーフに直線的な構成の作品を作ってみたりしました。

型は年間10~20ほど作っています。まず、紙に案を描いて、よいと思ったものを型に起こします。型を作ったけれどもまだ実際に染めていないもの、まだ型に起こしていないものなど、新しいデザインは40~50ほどストックしています。いただいた注文にもこたえながら、これらも目に見える形にしていきたいな、と考えています。

―50も! 次々とアイディアが湧き出てきているんですね。
これから、どのような作品に挑戦していきたい、といったような展望はありますか?

 

ある意味「紅型らしくない」と言われるような作品を作ってみたい、色やデザインなど、誰も作ったことがないものに挑戦してみたいと考えています。

 

―誰も作ったことがない作品を見られることを期待しています。今日はありがとうございました。


取材を終えて、「紅型らしくない作品に挑戦したい」と語る玉那覇さんの姿が印象的でした。紅型の新たな可能性を追い求める玉那覇さんの挑戦に、これからも注目です。

JTA 紅型ヘッドレストカバー第6弾「若松に梯梧模様」

2022年5月1日~2022年10月31日(予定)の間、JTAのすべての機材にてお楽しみいただけます。

 

※過去のヘッドレストカバーに関するJTA JOURNALはこちらからご覧ください。

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