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八重泉酒造 ~石垣島~

石垣空港から約30分。石垣市・石垣、前勢岳の麓の小高い丘の上に建つのが「八重泉酒造」です。1955年創業。今年64年を迎えます。

 

以前は市街地にありましたが現在の場所に移転。1991年に新工場が落成しました。晴れた日には竹富島や小浜島、西表島まで見渡せる風光明媚な場所です。訪ねた日はあいにくの小雨模様だったので島影がうっすらと見えただけでした。広々とした敷地の中に入るとロビーに小さめのショーケースがありその中に昔のビール瓶が飾ってありました。聞けばその昔、東京農大のコンテストに出品した泡盛で10年前に44年ぶりに里帰りしたんだそうです。何と55年酒!!もちろん飲むことは出来ません!蔵の歴史です。2018年8月に3代目社長に就任した座喜味盛行さんと専務の大浜周夫さんにお話を伺いました。

 

 

 

お菓子屋から泡盛製造へ

 

創業者の座喜味盛光氏は元々は台湾から水あめなどを輸入してお菓子を販売していました。新しい物件を探していた時、競売に出されていた場所が酒屋さんで、そこを買い取ったのが泡盛製造の始まりだったそうです。職人さんも残っていたので酒造りをやめることはないと思ったのかも知れません。泡盛の製造免許を取得して「座喜味酒造」としてスタートし、1989年に八重泉酒造に社名変更しています。盛行氏の父にあたる盛二氏は東京農大に進んだあと2代目社長に就任。

 

 

八重泉酒造は八重山で名実ともに発展してきました。創業以来数々の受賞歴を誇っています。八重泉酒造のパンフレットには「ここでしか生まれない味がある。ここでしか生まれない香りがある。」とあります。島には島の風土が生んだおおらかな自然の恵みがあるんだと気付かされます。原料も製造方法も変わらない泡盛がそれぞれに味わいが変わるのは造り手がそのことをしっかり認識してるからなのだと思います。

 

 

 

業界初のクラウドファイディング

 

2015年、石垣市商工会が公募した石垣島ファンドに応募。泡盛業界で初めてクラウドファンディングを実施しました。古酒を製造するための資金集めで一口3万円。3日間で約1,000万円!八重泉古酒44度を2千本製造するという取り組みです。3年が経過し昨年八重泉古酒44度が出資者の元に届けられました!泡盛古酒は3年からなのでそのまま貯蔵すると1円の利益も生みません。そのため製造した量のどれくらいを古酒にするために貯蔵するかは酒造所にとって大きな問題なのです。古酒を製造するためにクラウドファインディングで資金を調達するという取り組みは大きな注目を集めました。

 

 

3代目の社長として

 

 

実は盛行さんは酒造所を継ぐ、ということは考えもしなかったそうです。また家族からもそんな話は全くなかったと言います。将来はエンジニアになろうと思っていたので高校も技術系に進学しました。ところが高校3年生の夏休みのこと。父が「東京に遊びに行くか?」と言うので喜んで行きました。何と連れて行かれた所は「東京農大」でした!そこから父の猛アタックが始まります。猛勉強で東京農大に合格。短大だったので3年で卒業後帰島しますがすぐに広島の醸造研究所に行きそこで学んだあと正式に八重泉酒造に入社します。父のもとで働きながら入社19年目で2018年8月に3代目社長に就任しました。その前の3年間、色々な事を話し合いながら社長就任を決めたと言います。盛行さんは「石垣島特産品拡め隊」の仲間と県外、台北と積極的に活動しています。また地ビールまつりなどでも八重山の全泡盛のブースを設け飲み方の提案もしているそうです。

 

 

若いながら社員16人のトップにいます。「楽しく笑顔のある会社」がモットー。先代から受け継がれる「滴々在心」の精神でこれからもいい泡盛造りをしていきます。お忙しい中、長い時間ありがとうございました。みなさまもぜひお訪ねください。

 

▼過去の記事はこちらから:「泡盛天使の酒造所めぐり」

 

ライター しもじけいこ

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