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安全運航<航空会社永遠の命題>への取り組み
航空輸送に課せられたゆるぎのない安全運航を堅持していくには、全社員参加による安全施策への取り組みが求められます。
しかしながら、安全運航には、【この施策を実施すれば絶対安全!】といった特別 な施策はなく、社員一人一人が、一便一便を確実に完遂する基本作業が重要と考えます。
当社では、全社員が日々の地道な確認作業を通して、命題の安全運航に挑戦して参ります。ここに、 運航、整備、オペレーション、客室、旅客、貨物の各部門が取り組んでいる安全施策を紹介致します。
安全運航の確保について
安全運航の確保に万全を期します
当社は、1967年7月1日に運航開始以来、人身死亡の無事故を継続しております。しかしながら、昨日までの無事故が明日への安全運航を保証するものでなく、全社員が“安全運航への挑戦”を続けることを肝に銘じ、最善の努力を傾注してまいります。
航空機の運航にあたっては、万全な運航・整備体制で臨んでおりますが、出発直前、あるいは運航中に予期しない機材故障が発生することもあります。そのような場合、「安全上の措置を何よりも優先」し、全社員が安全運航に取り組んでおります。これまでの当社の運航品質・整備品質には誇りをもっているものの、日進月歩の技術革新、運航環境の変化に柔軟に対応し、航空会社の基本命題である安全を堅持することがなによりも大切であると考えております。
このような認識のもと、当社では、天候による欠航、機材故障などによる欠航、その他止むを得ない欠航措置等の運航情報の概要並びに当社が行っている安全施策をインターネットにより公開し、当社の安全運航への取組みをお客さまに発信してまいります。
当社は、これまで築いてきた人身死亡無事故の実績に甘んずることなく、経営トップから第一線の社員に至る一人ひとりが「航空会社の基本は安全運航である」ことを肝に銘じ、日々の安全運航の確保に万全を期して取り組むことにより、「お客さまより安心してご利用頂ける航空会社」を目指し努力していく所存であります。
今後とも引き続き当社便をご愛顧いただきますようよろしくお願い致します。
航空保安の確保に万全を期します
わが国の航空保安対策基準に従い、ハイジャック、航空機爆破等の不法行為を防止するための保安体制を継続して実施しております。
当社は、航空保安確保の重要性を強く認識し、今後も全社を挙げて日々の業務に細心の注意を払い、「安心で快適な空の旅」をご提供すべく努力していく所存でございますので、皆様のご利用を心よりお願い申し上げます。
なお、航空保安対策に基づく保安検査等につきまして、お客様におかれましては、空港・機内でのご協力を頂くことがございます。あわせましてご理解、ご了承賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
安全意識の徹底を図ります
JALグループにとって、安全運航の確保は終わりのない永遠の命題です。
私たちはお客様にご安心してご利用いただけるよう、経緯トップから第一線の社員に至る一人一人が「航空会社の基本は安全運航である」ことを肝に銘じ、グループ共通の「安全憲章」を定め、日々の安全運航に全力を挙げて取り組んでいます。
<JALグループ安全憲章>
安全とは、命を守ることであり、JALグループ存立の大前提です。私たちは、安全のプロフェッショナルとしての使命と責任をしっかりと胸に刻み、知識、技術、能力の限りを尽くし、一便一便の安全を確実に実現していきます。
そのために、私たちは以下の通り行動します。
- 安全に懸念を感じ時は迷わず立ち止まります。
- 規則を遵守し、基本に忠実に業務を遂行します。
- 推測に頼らず、必ず確認します。
- 情報は漏れなく速やかに共有し、安全の実現に活かします。
- 問題を過小評価することなく、迅速かつ的確に対応します。
「安全憲章」は表裏一枚のカードにして、グループ内航空会社の全社員に配布しています。
安全管理体制
当社の安全管理体制は以下の様になっています。
<総合安全推進委員会>
航空機の安全運航に関連するすべての事項、航空保安に関する事項、食中毒や異物混入等衛生に関する事項およびランプ安全に関する事項について全社的観点から企画・立案、総合調整、勧告、助言を行い、全社的総合安全対策の促進を目的に、社長を委員長とし、各部門の部門長・部長により構成され、2ケ月に1回開催しています。
<総合安全推進員会事務局会議>
総合安全推進委員会の下部機構として、総合安全推進委員会へ報告・付議する資料の調査、検討、調整を目的に、各部門の管理職により構成され、毎月1回開催しています。
<運航/整備連絡会議>
運航の安全および品質に係る技術的問題およびその改善策について、運航部門と整備部門情報交換を行い相互の連携を密にし、運航の安全および品質の維持、向上を図ることを目的に、2ケ月に1回開催しています。
<各部門の安全に関する会議体>
安全に係わる各部門の連携強化を図り、安全性を維持・向上させることを目的として、各部門長が指名する各部門の担当組織長をもって構成する運航部門会議、客室安全会議、
● 安全監査
安全に係る組織、制度、規程などの安全管理の体制が有効に機能しているかどうかを、第三者的な立場でチェックするのが社内安全監査です。訓練、認定を受けた社内の専門の安全監査員が、当社およびRAC便が就航する全ての空港を始めとして、本社間接部門や委託先会社までを網羅して安全性をチェックしています。
● 安全推進活動
JTAグループは社員の安全意識を徹底するため、以下の安全施策に取り組んでいます。
(主な安全施策)
- 不安全事象の情報収集、原因分析と情報の共有化
- 夏期、年末年始安全キャンペーン
- 安全教育
- 安全情報(JTA Group Safety News)の発行
各部門の安全運航についての取り組みについて
運航部門での取り組み
● 運航部門とは
航空機の性能・技術解析、運航ルールの設定、運航乗務員の訓練審査、日々の運航における航空機操縦や乗務・資格管理などを担うセクションです。
● 安全運航の基本
安全運航を維持するためには、一人ひとりの運航乗務員が十分な能力と知識、適切な資格を有していることが必要です。そのため、訓練生から副操縦士、副操縦士から機長へと昇格する際や新機種に移行する際に、座学やフライトシミュレーター(模擬飛行装置)、実機を使用した所定の訓練、審査を実施するとともに、資格取得後も毎年定期的な訓練、審査を実施しており、また、健康管理面においても国が定める航空身体検査に毎年合格する必要があります。
さらに、所定の基準に基づく乗務管理や資格管理、運航ポリシー、標準手順などの設定、日々の運航から得られた情報や航空他社、航空機メーカー等から入手した安全情報、技術情報のタイムリーなフィードバックなどを通じて、日々の安全運航を多面的に支えています。
● 運航乗務員
運航乗務員は出発空港で、お客様や搭載貨物などの情報、出発・到着空港や飛行ルートの気象情報などを確認し、飛行計画を確定します。その後、飛行機へ移動し、整備士から整備状況の詳しい報告を受けるとともに、運航乗務員自らも機体の点検を行い万全を期します。また、客室乗務員とも打合せを行い、緊急時の対応手順、保安情報、飛行中の揺れの予想や目的地の天気などの情報を共有し、乗務員が一体となってフライトできるよう気を配ります。コックピットに入ると、飛行に必要な装置類が正しく作動するかを点検します。出発直前にはチェックリストに従い装置類の最終確認を行い、管制機関からの許可を得て出発します。出発後も、管制機関や社内の運航管理セクションと連携し、天候や空港の状況変化、自機ならびに周りの飛行機の状況などを常にモニターしながら操縦を行います。
目的地到着後は、フライトを振り返り、安全に関する定められた報告を行うとともに、飛行中の気象状況や機材の状況をそれぞれの担当者に伝え、次の便の安全運航を支えています。
● 運航乗務員と共に危険を察知する3つの目
<衝突防止警報装置>
Traffic alert & Collision Avoidance System/TCAS 飛行機同士がある一定の範囲以上に接近しつつある場合、両機の運航乗務員に警報を出すと共に回避操作を指示する装置です。
<強化型対地接近警報装置>
Enhanced Ground Proximity Warning System/EGPWS 飛行機が、地面や海面にある一定の範囲以上に接近した場合や、衛星などから得られる自機の位置と地形データとを照合して山肌など前方の障害物にある一定の範囲以上に接近している場合に、運航乗務員に警報を発する装置です。
<ウィンドシア警報装置>
ウィンドシア(Windshear、局地的に風向や風速が急激に変化する現象)に飛行機が遭遇すると最悪の場合、事故に至る危険もあるため、ウィンドシアに遭遇時に運航乗務員に警報を発する装置です。
● 日々のフライトを見守るもう1つの目
○飛行データ解析プログラム Flight Data Monitoring/FDM 運航の安全性向上を図るため、日常運航において記録した飛行データを解析・評価し、事故につながる恐れのある不安全要素(リスク)を見つけ出し、予防的に対策を講じるためのプログラムです。
所定の教育を受けた解析・評価スタッフを配置し、毎日の飛行データから得られたリスクを運航乗務員や運航管理スタッフなどにフィードバックし、安全性の底上げを図っています。
整備部門の安全への取り組み
● 整備部門
整備部門は以下の組織で構成し、それぞれの組織間で連携を取りながら、安全運航と定時運航ならびにお客様が快適に空の旅を満喫できるよう、日常の航空機整備に携わり、品質の高い航空機を提供しています。
● 航空機の整備について
整備とは、安全で快適な運航を行うために航空機の品質を維持向上させる作業のことを言います。整備にはサービシング、検査、点検、修理、改修等の作業があり、定期的に深度・頻度の異なる複数の整備機会(整備段階)を設けて、その中で実施しています。
<サービシング>
燃料補給、潤滑油補給、クリーニングなど、航空機の運航に必要な消耗品を補充し、保守を行うための作業をいいます。
<検査>
航空機の状態が健全であること(不良状態がないこと)を確認するための作業をいいます。
<点検・試験>
検査、点検・試験にて発見、または運航中に発生した故障や破損、もしくはその兆候のあるものを元々の機能または強度を持つように回復、予防する作業をいいます。
<修理>
検査、点検・試験にて発見、または運航中に発生した故障や破損、もしくはその兆候のあるものを元々の機能または強度を持つように回復、予防する作業をいいます。
<改修>
航空機や装備品の原設計を変更する作業をいいます。航空機及び装備品の改善や、信頼性の向上のために実施しています。
<整備の段階・種類>
不具合修復、運航乗務員から運航中の不具合の報告があった場合、航空機が着陸してから次の飛行に出発するまでの間に修理作業を実施しています。
● 定期整備
定められた飛行時間間隔で実施する整備で、間隔の短い順に以下の段階を設けています。
<737-800整備方法>
個々の整備要目を定められた間隔で実施する個別生産管理方式とし、整備要目を実施する機会を設ける場合は、実施期限を超えない範囲で複数の整備要目を以下の区分に集約することができる。
整備要目は、原則として前回の整備からの飛行時間または飛行回数等が定められた間隔を越えないうちに行う。
(1) Service Package
夜間駐機時等、48 時間を超えない間隔で実施する要目を主体とした整備。
(2) L (Light) Package
1250程度の飛行時間間隔で実施する諸系統に係わる要目を主体とした整備
(3) H (Heavy) Package
6600程度の飛行回数間隔で実施する機体構造に係わる要目を主体とした整備
● 品質管理
航空機材の品質は、その使用に適した整備方式及び整備基準の設定を行なうと共に、品質状況を継続的にモニターし、信頼性阻害要因を除くための改修や改善策を講ずることによって維持向上を計っています。これらの業務は、内部や外部からの情報を取り入れながら体系的に行われて、その結果として安全でかつ快適な航空機を定時に運航することができます。
<1.PLAN>
- 整備規程
- 業務規程
- 技術計画
- 整備生産計画
- 部品補給計画
- 施設整備計画
- 教育訓練計画
<2.DO>
- 整備作業(地上にて発生した不具合等)
- 運航(飛行中の不具合、機長報告等)
<3.CHECK>
- 外部情報
※AD-TCD、SB・SL等、他社情報 - 運品質情報収集・解析
- 改善計画
<4.ACTION>
- 整備方式評価
● 整備訓練
航空機の整備作業を正確・迅速に行うことができ、さらに応用業務も処理できる能力を身に付けるために、新入社員訓練の後、段階的に3課程に分けて、整備士の養成を行います。各課程は、実務訓練と実務補完訓練の2つからなり、OJT方式(ON THE JOB TRAINING)と講義方式により実施しています。又、この養成課程中、必要な国家資格(1等航空整備士、航空工場整備士、航空無線通信士等)の取得を行っています。
<新入社員>
入社1年目を目途として、整備士の基本、安全教育、航空機概要、実務訓練の訓練を実施します。
<初級整備士>
入社1年後を目途として、主に基礎的な技量を必要とする作業を正確に実施します。共通基礎訓練、部門内基礎訓練、品質保証初級訓練などの訓練を実施します。
<2級整備士>
一般的な知識・技能を必要とする作業を効率良く、正確に実施します。入社2~5年目前後の初級整備士に対して、2級実務訓練、2級機種別専門訓練、品質保証中級訓練などの訓練を実施します。
<1級整備士>
高度な知識・技能を必要とする作業を効率良く、正確に実施し、機材品質をより向上させる事ができます。又、1等航空整備士など国家資格を取得し、社内審査に合格すれば確認主任者としてより高度で複雑な作業、判断も実施できます。2級整備士に対して、1級実務訓練、1級機種別専門訓練、品質保証上級訓練などの訓練を実施します。
<国家資格>
・1等航空整備士
航空機の型式毎に試験を受け取得し、整備全般に渡る作業の確認ができます。
737型式、767型式、777型式、ERJ-170型式、DHC-8型式
・航空工場整備士
格納庫で航空機の部品の組み立て、修理などができます。
・航空無線通信士
航空機の操縦室などで無線機器を使い通信が出来ます。
・社内資格
国家資格を取得した者を更に訓練し、社内試験により、合格した者へ社内資格を与えています。
● 他社機の整備
これまで培った運航整備や機体整備の能力を最大限に活かし、国内エアライン、官公庁、外国エアラインより機体整備および運航整備を受注しており、高い信頼を頂いております。
空港部門での取り組み
● 運航管理体制
オペレーションコントロール部では当社運航便及び運航管理者共用制度を活用した琉球エアーコミューター(株)運航便の運航管理業務を実施しています。
運航管理者は出発空港、目的地空港および航路上の気象情報や航空機の運航に必要な航法援助施設、空港等の各種航空情報、お客様、貨物等に関する情報を収集して安全かつ快適に飛行できるよう「飛行計画」を作成します。また出発前に飛行計画について機長とブリーフィング(打ち合わせ)をします。
更に運航が開始されると飛行状況や気象環境等をモニターし飛行中の機長に対し状況に応じたタイムリーかつ適切な情報提供・助言を行います。
運航管理を実施するために那覇空港には運航管理者を、また各空港には運航管理者および機長を補佐する運航管理補助者を配置しています。運航管理者は国土交通省「運航管理者技能検定」を取得し更に、社内審査を経て任命されます。また運航管理補助者に対しても社内資格を付与しています。
● 安全確保の取り組み
オペレーションコントロール部のある那覇空港をはじめ各空港では、最新の気象情報、運航中の航空各社によるタービュランス(揺れ)の情報、航法援助施設や空港に関する航空情報等をリアルタイムで入手し、これら最新の情報を一便一便に適確に反映させ、安全でかつ快適な運航を行っています。
客室部門での取り組み
● 出発前、到着後のブリーフィングについて
客室乗務員は、乗務前のブリーフィングにおいて、緊急事態が発生した際の一人ひとりの安全上の役割分担や、非常用装備品の使用方法等を確認します。ブリーフィングでは、安全業務で注意すべき点を具体的にイメージできるよう、iPadを用いて写真や動画等を視聴し、実際のフライトで知識を行動化できるよう努めております。
また、フライト終了後は、その日に起こった出来事を振り返り、次便を更にベストなフライトにするためのブリーフィングを行います。
● 安全確認業務について
飛行機に乗り込むと、装備品が正しい位置に正常な状態で取り付けられているか、非常口ドアや機内に異常はないか等を慎重に点検します。更に、機内に不審な物がないかを隈なく確認し、全て万全な状態でお客さまをお迎えします。
離着陸時には、お客さまがシートベルトを正しく締めていらっしゃるか、また、緊急事態が起きた際に脱出経路を確実に確保できるよう、手荷物がきちんと収納されているか等を確認します。
● 日常安全教育
客室乗務員のマニュアルに定められている任務の手順や関係法令などを正しく理解するための『定期安全教育』を年1回実施しています。
● CRM (Crew Resource Management)について
「人間はミスをする」という可能性を前提に、ヒューマン・エラーを断ち切り、より安全な運航を堅持することを目的に、2002年より「CRM訓練」を実施しています。
このCRM訓練は、エラーを如何に防ぐか、最小限に留められるかを個々又はチームで考え、乗務員間の効果的なコミュニケーションや連携による問題解決、また、効果的なチーム作りに着目した訓練で実際の乗務においても活用し、より安全な運航を目指しています。
● 傷病人発生時の対応について
機内にて急病人が発生した場合、客室乗務員は適切な措置をとらなければなりません。
そのため客室乗務員は、急病人発生時の基本対応、救急蘇生の実施、また機内に搭載されている救急用具の使用方法についての教育を受け、いざという場合に備えています。
また、機内にて心臓疾患による急病人が発生した場合の対策として、AED(自動体外式徐細動器)を機内に搭載しています。
● 定期救難訓練について
不時着陸(水)やその後の緊急脱出など不測の事態が発生した時に、客室乗務員がお客さまと乗務員の安全を確保するため、冷静、沈着に的確な判断を行い、迅速な行動を行うことができるよう「定期救難訓練」を実施しています。この訓練は緊急事態を想定した状況設定に基づき、客室乗務員並びに運航乗務員のみならず、乗務職以外の社員も参加し合同で訓練を行っています。
● 安全に関わる情報の共有について
緊急事態発生時の措置だけでなく、急病人発生時の対応、日々の安全業務を行う上での注意事項など安全に関わる情報を「客室安全情報」にて発信し、情報の共有を図り、常に安全意識の啓発を行っています。