MENU

JTAの活動 JTA JOURNAL想いをつなげる

  • HOME
  • JTAの活動
  • JTA JOURNAL

伊是名島のたったひとつの酒造所

20数年ぶりに伊是名島へ行きました。ひと昔前です。運天港もすごく立派な港に整備され船も豪華なクルーズ船のようです。那覇から高速で約1時間ちょっとで運天港に到着。「尚円丸」で約1時間で伊是名島・仲田漁港に着きます。すごく天気のいい日だったので、船の最上部のデッキで潮騒の香りと海風を受けて快適な船旅です。伊是名島は琉球王朝時代の尚円王の生まれた島です。なので船の名前も尚円丸なんです。昔は隣の伊平屋島と一つの行政区でしたが分離・独立して伊是名島になりました。現在の人口は約1,500人。特産品はモズクです。海に囲まれた自然環境豊かなのどかな島です。毎年伊是名島トライアスロン大会が開催されます。那覇から意外に近いのに観光客は年間2万人と少な目です。近年は修学旅行やテレビロケが多くなっているとのこと。島では尚円王ゆかりのイベントも多く島人の絆の強さが伺えます。島にバス、タクシーはないので交通手段はレンタカーの予約がおすすめです。

 

伊是名酒造所へ。

 

仲田漁港から車で約10分程度。大きな福木と昔ながらの石積みが歴史を感じさせます。島でたったひとつの酒造所は1949年仲田輝佳氏が創業しました。3代目にあたる工場長の仲田輝仁さんにお話を伺いました。

 

 

輝仁さんは18歳まで那覇で過ごし、その後関東でサラリーマンをしていましたが「後継者」がいないと酒造所がなくなるよ!」といわれ決心。今年17年目の45歳です。ダイビングと釣りが趣味で笑顔の素敵な輝仁さんです。

 

 

パートを含め5人の小さな所帯の酒造所で造る泡盛は8割が島内消費です。自然環境が豊かなので地下水も豊富。割り水は地下水を使用しているので柔らかいのど越しで飲みやすい味です。酒造りはすべて手作業。酒造りで一番大変なのは何ですか?と聞くと「温度調節が重要なので」気が抜けません!と答えてくれました。先祖代々受け継がれてきた酒造りは丁寧な作業と心持ちで受け継がれています。

 

 

創業以来のブランドは「常磐」ですが目をひくラベルもあります。伊是名島出身の有名版画家、名嘉睦稔さんの作品がラベルになっている「伊是名島」です。睦稔ファンなら大喜びしそうなラベルです。しかも化粧箱まで版画という贅沢な泡盛です。飲んだあとも捨てるのはもったいない!ので箱は広げて額装するといいインテリアになります!ラベルを創ってくれた睦稔さん、素敵です。女性のスタッフの方にお願いしてラベルを手張りさせてもらいました!

 

 

 

 

 

伊是名島も他の離島同様、過疎化の問題はあります。村では国の沖縄振興特別推進交付金4億円を使って2021年まで、年に1棟のペースで「古民家修復作業」を行っています。伊是名島出身の若者を島に呼び戻すための事業だということです。島に高校がなく中学を卒業するとほとんど島を出て行きますから若い人の定着、それから民泊への対応、移住者への対応など過疎化、高齢化対策は課題です。どうしたら観光客をもっと呼べるか・・輝仁さんも仲間と一緒にいろんなことに取り組んでいるそうです。伊是名島の酒は伊是名島と一緒に売り込まないと!いけませんねと笑います。

 

 

今回、80歳のおばあちゃんが一人で切り盛りしている「ときわ荘」に泊まりました。酒造所のすぐ近くで輝仁さんのおばさんにあたります。「昔は私も酒造りをしていたよー。今でも造れるはずよー」と懐かしそうに話してくれました。満杯だと20名も泊まれる宿を一人で切り盛りしているんですからスーパーおばあちゃんです。伊是名島は昔ながらの雰囲気が漂う島です。その雰囲気を残した島造りができればいいですね。東京の大学の学生たちが古民家調査で来ていましたから建造物としても価値のある家々があるということですね。

 

取材終わったあと、輝仁さんの友人のみなさんもいっしょに居酒屋で楽しい時間を過ごしました!酒造所も来年は70年!人間でいえば「古希」。節目の年なので「伊是名酒造所の誕生・感謝祭」をやりましょう!で盛り上がりました。みなさま、遅くまでお付き合いくださりありがとうございました。

ライター しもじけいこ

 

 

*読者のみなさまへ。伊是名酒造所をお訪ねの際、JTAのコラム読んだよ!と言えばオリジナル特性コースターをプレゼントしてくれます!のでぜひお訪ねください。

ON/OFF

ページトップ