お客さまに寄り添ったサービス提供を目指して
機内で名札の上に手話バッジを着用している客室乗務員を見かけた事はありませんか?
JTAでは「お客さまに寄り添い、安心していただけるサービス」の提供を目指し、さまざまな取り組みをおこなっています。
今回は客室乗務員の手話スキルの向上に向けた取り組みについてご紹介いたします。
2015年に客室乗務員の有志、約20名でスタートした手話サークルは、現在では空港スタッフなど含めた沖縄地区JALグループ内で約120名にまで増えています。
客室部門では、手話検定1級資格取得者の客室乗務員がインストラクターとして1コマ40分のオンライン講座を、1日6コマ月に3回開催し、初心者編や上級者編、検定試験に向けた集中講座など、受講者のレベルやニーズに合わせて実施しています。
講座では50音・基本の指文字・単語・短文・挨拶をはじめ、機内で使える手話表現を学習します。またインストラクターは、予定が合わず講座に参加できない客室乗務員にも自主学習に活用できるよう動画教材を作るなど、いつでも楽しんで学習できるような工夫も行っています。手話検定の資格取得にチャレンジしている客室乗務員も多く、資格取得後は手話バッジを着用し乗務しております。
この手話バッジは、耳の不自由なお客さまにも機内で安心してお過ごしいただけるよう、手話資格保持者が容易に分かるように、という目的で導入しています。
手話バッジは手話検定3級以上、4級取得者は「手話勉強中バッジ」を着用しています。
お客さまからは「手話バッジが目印になるので安心して手話が使えます」、「JTAが手話の勉強を頑張っていると聞いてJTAを選びました」と嬉しいお声をいただいています。
手話を学ぶ客室乗務員からは「勉強していた手話でコミュニケーションがとれて嬉しかった」「手話を学ぶことで、耳の不自由なお客さまに気持ちが伝わり喜んでもらえた事がモチベーションに繋がっています」との声が多くあります。
それでは、インストラクターをしている手話検定1級資格取得者、上間さん(写真左)渡邊さん(写真右)をご紹介します。お二人に手話の勉強を始めたきっかけや想いをインタビューしました。
――手話を始めたきっかけは何ですか?
【渡邊さん】
新人の時に耳の不自由なお客さまのご搭乗がありました。その時は手話を知らなかったので、飛行中に筆談で通過する島々の案内をしましたが、楽しまれているご様子ではありませんでした。その事が大変申し訳なく、自分にできることはないか?と考え手話の本を購入し、独学で勉強をはじめ今年で20年になります。
【上間さん】
社会人編入枠で大学に通っていた時に耳の不自由な学生と出会った事がきっかけで手話の勉強をはじめました。彼女とは年齢も近く、同じ教員免許を取得するコースに在籍していたため、ディスカッションの講義やグループワークで共に活動する機会に恵まれました。活動の中で、筆談よりもスムーズに意思疎通を図りたいと思い、手話を習い始めました。
――これからの手話の取り組みについて想うことがあれば教えてください。
【渡邊さん】
『見えない障がい』である耳の不自由な方の言語、手話に興味を持って取り組む客室乗務員が増えていることを大変嬉しく思います。耳の不自由な方の中には中途失聴の方もいらっしゃり手話が通じない時もありますが、それぞれのお客さまに合った寄り添い方でおもてなしをすることで、JTAファンが増えることを期待しています。誰もが安心して楽しく飛行機をご利用いただける航空会社を共につくり、これからも手話が広がって行くことを願っています。
【上間さん】
全てのお客さまが安心して飛行機に搭乗できる環境が広がり嬉しく思います。手話を通して気持ちのバリアが消えていくことを、多くの客室乗務員に体験してもらえたらと思います。これからも微力ながら手話の輪が広がるよう頑張っていきたいと思います。
手話サークルの皆さんは、機内だけではなく、2018年には沖縄県ろう学校の子供たちへ「耳の不自由な子供達にも飛行機を好きになって欲しい」との想いで客室乗務員の渡邊さんを中心に、手話で行う航空教室を実施しました。その後も、継続してろう学校の航空教室が開催され、多くの手話サークルメンバーが携わっています。
また、最近では奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録を祝し、沖縄地区JALグループ手話サークルメンバーが中心になり制作した手話動画をJTA公式Twitter、JTA Official YouTube、JTA オフィシャルサイト内のJTA JOURNALにて公開しています。ショートバージョンとロングバージョンの2パターンご用意しています。ぜひ、ご覧ください!
JTAはこれからもすべてのお客さまが安心して飛行機をご利用いただけるようアクセシビリティの向上に取り組み、多くの人々やさまざまな物が自由に行き交う、心はずむ社会・未来において世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループを目指します。