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第21回 田嘉里酒造所(沖縄本島大宜味村)

当記事は2018年2月28日にサイトクローズした「美ら島物語」で公開していた記事です。

※田嘉里酒造所は2017年よりやんばる酒造所へ社名変更しています。

 

 

 

沖縄本島最北端の酒造所


 

 

 

まだ夏真っ盛りの8月、那覇を出発してヤンバルへ。
大宜味村にある沖縄最北端の酒造所、田嘉里酒造所を訪ねました。

 

ヤンバルと言えばヤンバルクイナ、喜如嘉といえば長寿、芭蕉布で有名な場所です。
田嘉里という地名は1903年(明治36)に近隣の親田、美里、屋我地の3村が合併して出来た集落です。

 

以前は、田んぼが広がる米処だったそうですが、米作りからサトウキビに変わり、現在は田んぼは少ししかありません。
サトウキビ畑を抜け、緑深い山の麓に田嘉里があります。

 

やっと「まるた娘」に会えます!

 

社長の池原弘昭さんと看板娘の文子さんにお話を伺いました。

 

 

 

田嘉里酒造所は、1949年地域で精米所として使っていた場所で(現在も同じ)、地域の有志でスタートしました。
初代の代表者は、共同売店の代表でもあった大嶺しんせい(漢字が不明)さん、という人だったそうです。

 

その後、現在の社長の父親、弟が社長を務め、今年6月社長に就任しました。

それまで何と学校の先生!
教育長などを歴任しおた教育者だったのですが、社長を務めていた弟の急死により社長。

 

県外の大学を卒業した時、父親から「沖縄で就職先が決まったから帰っておいで」、という言葉に1か月悩んだあと、帰ってきたそうです」。

 

 

父親は酒造所の後継者にというより、すでに弟が高校を卒業して酒造所に入っていたので、長男の弘昭さんに沖縄に帰ってきてほしいという気持ちだったようです。

 

強面が話すととても穏やかな社長です。
「酒造りも何もできないが、次の社長にバトンタッチするまで」の間だと笑います。

 

工場の周りに花をいっぱい植えているので、その手入れが忙しいとか。
育てた花は各学校や老人ホームに差し上げているそうです。

 

まるた娘


 

 

 

 

文子さんはというと、彼女が看板娘の「まるた娘」なのです。
社長の3女としてうまれ幼少の頃から活発で頭のいい子だったそうです!

 

高校に進学したあと自分の進路や人生に悩み、毎日のように酒造所で瓶を洗ったりおじいちゃんとおばあちゃんと遊んだりしていたそうですが、大好きだったおじいちゃんが亡くなった時、酒造所で働くことを決意します。

大学で応用微生物、発酵学を学び更にバイオテクノロジーを学び、さらに語学を学びたいとアメリカに2年間語学留学をします。

 

 

 

酒造所に就職してしばらくは酒造りもやっていたそうですが、酒屋で自分にできること、自分にしかできないことをやる!
と決め、ホームページを作りブログで情報発信を始めます。

 

泡盛マイスターの資格も取り、工場案内も始めるなど、様々なことにチャレンジしています。
ブログも酒造所のことだけじゃな、く「やんばる」のことやイベント情報なども併せて発信しています。
これが面白可笑しく時々切なく・・大人気のブログになっています。

 

 

 

じつはまるた娘を知ったのはブログでした。
どうしても会いに行かなくっちゃ!て思っていたら「まるた娘がお母さんに」なってちょっと休んでいたため、今回やっと会うことが出来たのです。

 

思ってたよりずっとステキなまるた娘です!!
まるた娘のブログにアクセスしてみてください。

 

緑豊かな心のふるさとヤンバル


 

 

 

 

目の前ににそびえる、緑豊かな山の取水口から湧き出る水で、造られる泡盛は、新酒でもほんとに柔らかい味がします。
今年は、やんばるが国立公園に指定され、ヤンバルクイナが16年ぶりに繁殖した姿も目撃されたそうです。
これからヤンバルへの注目度は高まっていきそうです。

 

造った酒のほとんどは、ヤンバルで消費されていますが、マルタ娘のブログのお陰で、県外にファンを広げています。
今年から、大宜味村のふるさと納税の商品にも選ばれています。

 

 

 

訪ねた時は、作業場で職員の方がラベルの手貼りをしていました。
一日に貼れるのは、500本が限界とか。
同じ場所にきれいに貼らなくてはいけませんから、見ていると意外に大変そうでした。

 

「お客様が美味しいと言ってくれるお酒を心を込めて造る。地域あってこその酒造所でありたい。 」という感謝の気持ちがいっぱい詰まっている酒造所です。

昔はみんな、こんなふうな酒屋だったんだろうなあ・・

社長を入れて7人の、アットホームな酒屋さんという感じです。
暖かい気持ちにさせてくれる酒造所です。

 

 

 

 

そして、あと10年後のまるた娘が楽しみです。
お忙しい所、長い時間お付き合いくださり、楽しい時間をありがとうございました。

 

 

合名会社 田嘉里酒造所


 

 

(2016.9.28 掲載)

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